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非公開求人とは?企業が求人を非公開にする理由、非公開求人に応募するメリットと応募方法を解説

非公開求人

転職エージェントでは「非公開求人」を取り扱っているケースが見られますが、「非公開求人とは、そもそもどのような求人なのか?」「一般に公開している求人と何が違うのか?」「なぜ非公開にしているのか?」など、疑問を感じている人もいるでしょう。非公開求人の概要や非公開にしている理由、応募するメリットや効率的に転職活動を進めるポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

非公開求人とは

「非公開求人」とは、転職エージェントが企業から依頼を受け、非公開で人材の募集を行う求人を指します。求人自体を公開せずに、転職エージェントに申し込んだ求職者にのみ紹介するケースが一般的です。

非公開求人はインターネット上で公開されていない求人であり、多くの場合、一部の転職エージェントだけが取り扱っているため、これまで見つからなかった希少なポジションの求人に出会える可能性があります。一方、一般公開されている求人は、転職サイトやハローワーク、企業の採用ページなどに掲載され、広く人材を募集しています。

企業が求人を非公開にする理由

非公開求人に対し、「なぜ情報を一般公開しないのだろうか」と疑問に思う人もいるかもしれません。企業が求人を非公開にすることには以下のような理由があります。

企業の事業戦略など、社外秘に関わる採用のため

新規事業の立ち上げや特定領域の事業拡大、秘密裏に進めたいプロジェクトなど、競合他社に動きを知られたくない場合に、必要な人材を非公開で募集するケースがあります。また、事業責任者や経営層などの募集も、経営に直結するために非公開求人として採用を進めることもあります。

効率的に採用活動を進めるため

知名度がある企業や高待遇のポジションでは、転職サイトなどを利用する一般公開型の募集をした場合、応募者が殺到し、採用担当者が対応しきれなくなる可能性があります。そのため、非公開求人として自社の人材要件にマッチした人材に絞って選考することで、採用活動を効率化するケースが見られます。

社内に知られずに募集するため

求人を非公開にするのは、「社外に知られたくない」という理由だけではありません。事業責任者やプロジェクトマネジャーなど、社内で注目されているポジションを公開で募集してしまうと、「社内に適任がいないのだろうか」「外部からの採用で大丈夫なのか」など、従業員の不安や動揺につながることがあります。

また、重要なポジションを外部から採用することで、昇進を目指していた従業員はモチベーションが下がってしまうというリスクも考えられます。社内に影響を与えないために、非公開にするというケースもあるのです。

社名を出しながらも給与非公開など、一部情報を明示しないケースもある

非公開求人の中には、社名を出していても給与などの一部情報を非公開としているケースがあります。「具体的な年収額を非公開とするのはなぜなのか」と疑問に感じる人もいるかもしれません。しかし、先に述べた通り、「競合他社に知られたくない」「社内に知られることで何らかのハレーションが起きることを避けたい」「年収条件のみで応募の判断をしてほしくない」などの理由から給与を非公開としている可能性があります。

具体的な年収額が知りたい場合は、転職エージェントに確認することができますし、カジュアル面談や面接の場で企業に直接聞いてみることも可能でしょう。

非公開求人のメリット

ここでは、求職者にとっての「非公開求人のメリット」について、考えられる一例を紹介していきます。

公開求人と合わせると選択肢が増える

一般公開されている求人に加え、転職エージェントから非公開求人を紹介してもらうことで、より選択肢を増やすことができるでしょう。自分の希望や経験・スキルにマッチした企業に出会える可能性が高まる点は大きなメリットと言えます。また、非公開で求人を出す企業は珍しくないため、転職エージェントによっては、公開求人よりも非公開求人を多く取り扱っているケースもあるようです。

大手・有名企業などの求人が見つかる可能性がある

大手・有名企業の場合は、応募が殺到することや競合他社に情報が漏れることを避けるために、非公開求人で人材採用を行うケースも見られます。非公開求人を探すことで、業界大手の企業や知名度の高い人気企業、グローバルに事業展開する世界的企業などの求人が見つかるかもしれません。また、「ビジネスの規模感が大きい」「社会的な認知度が高い」「待遇や福利厚生が充実している」など、より良い条件の企業が見つかる可能性もあるでしょう。

マネジメント層の求人が多く、希少ポジションも含まれる

非公開求人の中には、マネジメント層、経営層、新規事業責任者などの重要・希少なポジションも含まれるため、やりがいのある魅力的な求人に出会えるかもしれません。

また、管理職としての転職を考えている場合は、公開求人だけではマッチする求人が見つかりにくい傾向があります。一般的にマネジメント層の求人は数が少ないので、広く公開されている求人だけでなく、非公開求人も視野に入れた方が選択肢は広がるでしょう。

より自分にマッチする求人を見つけやすい

前述の通り、非公開求人の場合は、専門スキルや組織マネジメントのスキルなどを必要とする職種・ポジションの募集をしているケースもあります。採用要件に合わせて人材を絞り込むため、業務に必要な経験・スキルの詳細や、入社後に課される目標、組織として達成したい目標などを具体的に明示する企業もあります。より自分の経験・スキルや目指したいことなどにマッチする求人を見つけやすいと言えるでしょう。

採用率が高い可能性がある

一般公開している求人の場合は、「採用要件にマッチしていなくても、なるべく多くの求職者に会って判断したい」と考える企業もあります。一方、非公開求人の場合は、採用要件をもとに人材を絞り込んでから選考を行うことが多いでしょう。書類選考を通過した場合などは、あらかじめ「採用要件にマッチしている」と判断されていることが考えられるため、採用の確率が高いことにも期待できるかもしれません。

また、急な異動・退職などで欠員補充が必要になったために、非公開求人で迅速に採用を行いたいと考えているケースもあります。こうした場合は、より採用に積極的になっている可能性があるでしょう。

非公開求人のデメリット

非公開求人には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。考えられるデメリットの一例を紹介するので、こちらも把握しておきましょう。

採用要件に経験・スキルがマッチしていることが前提

非公開求人は転職エージェントが取り扱っており、企業が募集する職種・ポジションの採用要件を満たしている人材に対して求人紹介を行うケースが一般的です。非公開求人に応募するためには、採用要件に対し、自分の経験・スキルがマッチしていることが前提となるでしょう。

求められるスキルや課される目標などのレベルが高い

非公開求人では、専門スキルが必要な職種やマネジメントなどの重要なポジションを募集する傾向が見られ、求められるスキルや課される目標などのレベルも高い可能性があります。「募集している職種・ポジション即戦力として活躍できる人材であること」が採用に影響すると言えますが、未経験者の場合でも、異業界・異業種での経験・知見などを歓迎されて採用に至るケースも見られます。

非公開求人に応募する方法

非公開求人に応募したい場合は、非公開求人を取り扱っている転職エージェントに登録・申し込みすることがまず必要です。特定の転職エージェントしか利用しない企業もあるため、複数の転職エージェントに登録・申し込みをした方が、自分の希望にマッチする非公開求人を紹介される可能性は高くなるでしょう。

転職エージェントの種類は、大きくは二つに分けられ、幅広い業界・職種・エリアを対象とする「大手・総合型」と、特定の領域や属性に専門特化している「中小・特化型」があります。応募する業界・職種がすでに決まっている場合は、「大手・総合型」と「中小・特化型」を併用することで、希望に合う求人に出会いやすくなるでしょう。

また、スカウトサービスなどに登録し、自分の職歴を公開することで、ヘッドハンターや転職エージェントからスカウトメールを受けられる可能性もあるので、併用してみるのも一案です。

転職エージェントは効率的に転職活動を進めるためにも役立つ

転職エージェントによっては、応募書類の添削や面接対策、企業とのやりとりや面接日程の調整など、転職活動全般のサポートを行なっているケースもあります。転職支援のプロのサポートやアドバイスを受けることは、効率的に転職活動を進めるためにも役立つでしょう。

また、転職エージェントを活用する際には、公開・非公開に関わらず、希望条件や転職の方向性などを伝えることがおすすめです。非公開求人にこだわりすぎることで、自ら選択肢を狭めてしまう可能性もあるので、公開求人も含め、マッチする求人を紹介してもらいながら転職活動のアドバイスを受けると良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2024年08月30日 記事更新日:2025年06月04日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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